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端午の節句、静岡の知られざる常識

子を思う親の気持ちは全国共通。とはいえ、子育てにまつわる習慣や風習・しきたりなどは今も地域で微妙にちがうことも。今回からのコラムは、そんな話題をお届けします。


静岡の男の子の初節句は5月5日じゃない?!

天神様の人形

5月5日は全国的に「こどもの日」。男の子の成長を願う「端午の節句」のお祝いもこの日に行うのが一般的ですが、実は4月3日に男の子の初節句を祝う地域があるって知っていましたか?それは静岡県の中部地方。旧暦では4月3日が「桃の節句」、この日にひなまつりを行う地域は全国各地もありますが、この地域では女の子の初節句と併せて、男の子が生まれた家では学問の神様である菅原道真公、いわゆる「天神様」の人形を飾ってお祝いをする風習があるのです。つまり、男の子と女の子がいる家では4月3日に、おひなさまと天神様の人形が一緒に並ぶ光景が見られるとか。一説には5月上旬はちょうどお茶の収穫期を迎えるため、4月3日に一緒に前倒しで節句のお祝いをすることになったともいわれています。昨今の住宅事情や伝統行事の簡素化もあり、4月3日はスルーして5月5日に武者人形や兜と一緒に天神様の人形を飾る家庭も多くなってはいるそうですが、結婚で静岡に来て子どもが生まれ、初めて「天神様」を知ってびっくり!というケースはいまだに後を絶たないようです。


お祝いの食べ物はちまき?それとも柏餅?

柏餅とちまき

童謡「背くらべ」にも歌われている、5月5日の食べ物といえば「ちまき」。ほんのり甘くて白いお団子を笹で細長い円錐形に巻いているものが東海地区では一般的でしょう。中身がお団子ではなく餡入り葛餅など他にもお店や地域でいろんなバージョンがありますが、実は「ちまき」のルーツは中国で厄除けとして食べられていたもの。それが平安時代ごろ京都に伝わり、さまざまなスタイルで広まっていったとか。そのため現在でも「ちまき」を食べるエリアは西日本が中心で、関東ではどちらかというと「柏餅」が端午の節句の代表選手とされているようです。柏の木の葉は「新しい芽が出ると、古い葉が落ちて茂り続ける」ということから代々子孫繁栄の象徴として、江戸時代ごろから縁起物として定着していったそう。ちなみに静岡県の浜松周辺では、初節句のお祝い返しとして20~30cmはあろうかという巨大柏餅をふるまう習わしがあります。その由来はさだかではありませんが、戦前頃から続いていて、ちょうどこの時期に行われる「浜松まつり」の祝い菓子ともなっているとか。子どもの成長を祈って大きな凧を揚げる祭り同様、柏餅にこめられた子供の成長を祈る気持ちも、とにかくダイナミックなのが浜松流、といえるかもしれませんね。