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びっくり!なるほど!世界の子育て<3>

今回は子どもの「歯」にまつわるエピソード。各国のならわしや、歯のケアに対する価値観の違いなどについてお伝えします。

生えかわりの儀式もお国それぞれ

乳歯から永久歯への生えかわりは、子どもの成長を物語る大切な節目。抜けた乳歯をどうするかも国や地域によってさまざまです。「強い歯が生えてきますように」と、屋根の上や縁側の下に抜けた歯を投げるのは日本だけではなく、中国やタイなどのアジア地域で広く見られるおまじない。カリブ海やアフリカの国々、インド、ブラジルなどでも屋根に投げる習慣が見られるようです。また、中東の国々では太陽に向かって「新しい歯を持ってきて」とお願いするのだそうです。
北米・中米やヨーロッパでは「枕の下に置いたりコップに入れて眠ると、歯の妖精がプレゼントに変えてくれる」という言い伝えが主流。国によっては妖精ではなく、魔法の国のネズミ、あるいはリスやウサギなどのところも。ロシアやバングラディッシュなどではネズミの巣穴に歯を投げ入れるそうです。いずれも歯が丈夫そうなイメージの動物が願いをかなえてくれるという言い伝えは、妙に説得力がありますね。
ちなみに、枕やコップに入れて一晩おいた歯は、その後、記念としてきれいな箱などに入れてとっておくことが多いのだとか。日本やアジアの一部で見られる「へその緒」を大切に保管しておく習慣に似ていますが、逆にへその緒はそのまま捨てたり土に埋めたりするそうで、歯の扱いとは正反対なのも面白いところです。


アメリカでは0歳から歯医者が常識!

歯にまつわるならわしは、国や地域によって違っていても、強い歯・元気な歯になってほしいという気持ちは万国共通。特に国民皆保険制度がなく治療費も割高なアメリカでは、「まずは予防ケア」という意識が根付いているのが特徴です。日本では一般的に1歳半の乳児歯科検診から歯医者さんデビューとなりますが、アメリカでは大半の人が民間保険に加入し、歯の生え始める生後半年から1歳までの間にデンタルチェックを開始するとか。それ以降もチェックやクリーニングがほぼ無料で受けられます。また、イギリスでは国民皆保険制度も整っていて、子どもの歯の治療は原則無料。日本では保険適用外となる歯並びの矯正も「虫歯などのトラブル原因」とみなされ、子どもは無料という充実ぶりです。
このように、欧米では幼いころからしっかり歯のケアや矯正をするのが常識なので、虫歯が多かったり歯並びが悪かったりすると、育て方が悪いと見なされることも。日本でも最近は歯への美意識が高くなっていますが、八重歯が「かわいい」と許容されているのは世界でも珍しいこと。八重歯がチャームポイントの人気アイドルのようになりたいと、近頃はわざわざ「つけ八重歯」をする若い女性もいるそうですが、海外の人から見たらアンビリーバブルな行動と言えるかもしれませんね。

<参考>「はがぬけたらどうするの」
(フレーベル館/ セルビー・ビーラー文、ブライアン・カラス絵、こだまともこ訳)