びっくり!なるほど!世界の子育て<4>
お国が違えば子どもにまつわる習慣や育児の考え方もさまざま。今回は元気な子どもたちの体を支える「足」にまつわるエピソードをお届けします。
バリ島の子どもたちは生後105日まで地に足をつけない?!
神々が宿る島・インドネシアのバリ島では、生まれたばかりの赤ちゃんはまだ人間としてデビューする前のまっさらな状態として考えられ、悪霊に取りつかれないよう不浄な地面には決して足をつけてはならないというならわしがあります。その制約が解けるのは、生まれてから105日目。「ウパチャラ」という盛大な儀式が行われ、聖水で足を清められてようやく地面に足をおろすことができるようになるのです。
さて、バリも日本と同様に普通は靴を脱いで家にあがるため、赤ちゃんが105日目から歩けるようになるまでは部屋で自由にハイハイさせることができますが、問題は靴のまま部屋に入る欧米の国々はどうしているかということです。「床を這っていたら、すぐベビーチェアやベッドに移動させる」というママもいますが、これは意外にも少数派。衛生・安全面に配慮してベビーサークルで囲ったところにラグを敷く、あるいは、家全体がカーペット敷きなら「ちゃんと掃除をしているから大丈夫」と、好きなようにハイハイさせている家庭も少なくないとか。たしかにそんな状態でも子どもが病気になったという話はあまり聞きません。過度に神経質になるよりは、多少おおらかに育てたほうが、もしかしたら強い子が育つのかもしれませんね。
ドイツの母親学級では靴の選び方もお勉強
日本の最近の子どもは偏平足ぎみで踏ん張る力が弱く、転びやすいとよく言われています。その一因には「すぐ大きくなるから」と、ゆるすぎる靴を長く履かせていることもあるのだとか。これとは対照的に子どもの靴に対して高いこだわりがあるのはドイツ。「赤ちゃんの98%は健康な足でも、大人の60%は足にトラブルを抱えている」と考えられ、子どもの成長に合わせた靴の買い替えも、将来の健康への投資とみなされているようです。その証拠に、ドイツでは赤ちゃんの頃から足の健康診断があり、幼稚園で足指の体操を行っているところもあるのだとか。さらには、母親学級でも正しい靴の選び方を学ぶのだそうです。子ども靴といえども足幅のサイズも計り、きちんとフィッティング。マジックテープや紐で調節が効き、素材は柔らかく通気性のある皮、足の裏をホールドする機能性の高い底じきと靴底…といわばウォーキングタイプのしっかりした靴が理想とされています。かたや日本の学校では布製で柔らかめのゴム底の上履きが主流。これはこれで確かに足に優しいのですが、ぶかぶかのサイズをスリッパ風につっかけて履いている子などは、ドイツのママからはダメ出しされそうですね。